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酔った勢いで彼が言った一言。
その時の彼は、『正気じゃない』と思ったのを今でも憶えている。
好きだからそう言ってくれているのはとっても嬉しい。
そう思っているとも思っていなかったし…。
(本気になるとは思っていなかった…。)
だけど、彼が家庭を捨てないのは私には解っている。
彼の生い立ちは色々と複雑で、
家庭に恵まれなかったというのもあるし、
過去、彼の口から、
『離婚はしないだろうな…。』
こんな関係になる前に聴いたことがある。
『なにを言い出すんですか? どうしたんですか?』
私は、聞いた。
酔った勢いとはいえ、それはどうなんだろう…。
『asを自由にしたい。asと一緒にいられる時間が増える。』
…それが、彼の答え。
嬉しいけれど…。
独身の頃の私なら、今すぐ彼の胸で飛び込んでいっただろう。
でも、今の私はきっと素直に彼の胸へは飛び込めない。
ずるいよ…kjさん。
自分は別れないのに、私には…。
『ずっと面倒も含めていろんなところで助けていきたいんだ。』
嬉しいことは嬉しい。
そんなにも、思ってくれているんだと思うと。
だけど、やっぱり、彼にかかる負担は大きい。
彼のお荷物にはなりたくない。
だから…。
『kjさんありがとうです。
でも、私は家庭も大事ですから。
子ども、大好きですから。
心配しないでください。
kjさんに『奥様と別れて』なんてこと、
絶対言ったりしませんから。』
彼に対して残酷なのか?
はたまた彼の求めた答えになったのか?
正直解らないけれど、自分なりのけじめ。
この出来事があってから、1年近く。
何も変わらず、彼も私も一緒にいる。
それがいいことなのかわからないけど…。
ただ、側にいるだけで…。
【どうして、あんなことをしてしまったのだろう…】
あの夜から、頭からそのことが離れなかった。
【どうかしていたのかもしれない?】
心にそう言い聞かせてはみるものの、どうもしっくりこない。
それどころか、【間が差した】と思えば思うほど、
私の心の中は、kjに占領されていた。
霧にかかっていた気持ちはどんどん、大きく膨らんで…。
このままでは抑えられなくなりそうだった。
【とにかく、kjに会って話をしなければ!】
…だが、私たち2人は、会社は同じでも、
部署が違うので、毎日、顔を会わすことはなかった…。
とにかく、数日間は、頭の中に消しゴムがあるなら
頭からkjを消したい…そう思っていた。
それから、kjがうちの部署に仕事の依頼を持ってきたのは、
あの夜から、一週間も経たないうちだった。
『あとから、少し…話をしよう…。』
小声で言うと、kjは、何もなかったように黙々と、仕事の話をしはじめた。
私の、心は動揺を隠せず、とにかくすごい勢いで過去がフラッシュバックする。
血液の流れも逆流するかのような勢い…。
こんな、心の変化、結婚してからあっただろうか?
このドキドキ感…。トキメキ感…。
なんだかとても、心地よい?
もしかして…?
この人に恋心を抱いている?
春とはいうものの、少し肌寒い夜。
私は、仕事のことで悩んでいた。
今のまま、この会社にいるべきか?それとも独立すべきか?
あまりに大きな人生の分かれ道に自分では、どうしようもないと感じていた。
誰かに聞いて欲しかった。
そして、助けて欲しかった。
どうしてだろう…なぜか?それを彼に相談した。
その時は、その場で話を聞いてくれるものだと思っていたのだが、
彼は、わざわざ私のために時間を作ってくれた。
結婚して以来、kjとの付き合いは皆無に等しい位、なかった。
しっかりと、私の気持ちを聞いてくれ、
アドバイスしてくれるところはしっかり答えてくれる。
「ありがとうございました。自分の気持ちは、もう少し会社にいようかな?って。」
「そうか。asちゃんの気持ちがしっかり固まったなら…。」
夜も遅く、かなりお酒も入った2人は、どうにかしていたのだ。
きっと…。
その時は…。
相談ごとも、万事解決し、12年間の隙間を埋めるかのように
プライベートのこと、今までの自分のこと、その他いろいろ…
溢れないばかりに、話は、はずむ。
「そういえば…、昔、こんな席のあと、ホテルへ行ってたな(笑)」
「…そうですね。でも、未遂でしたけどね。(笑)」
「だって、あれは、お前がシャワー浴びますっていってなかなか出てこないからだろ?」
「寝るの狙ってましたもん(笑)あの時、ほんと、すごくドキドキしていて、純粋でしたから私も(笑)」
「懐かしいね〜(笑)」
「そうですね〜(笑)」
そんな会話を笑いながらしていた2人だったが、
ある時、彼がふっと真面目な顔をする。
「これから、行く?」
「…またまた、冗談を(笑)」
最初は、冗談だと思っていた私も
彼の真剣な眼差しに、ドキッとする。
その眼差しに吸い込まれるかのように私も、
手を握りかえし合図を送る。
私の心の中の【何か】が動き出した。
kjと私の出会い…。
それは、…会社でした。
歳は、私より18歳年上で、歳のわりには、若く見え、(実際美形なほうです。)
見た感じ、仕事も遊びも女にも不自由はしていないような感じでした。
そして、営業トップの彼は、もちろんおしゃべりも上手で、
明るく、人をあきさせない魅力の持ち主。
なにより、『男』を感じさせる強さを持っていました。
もちろん、今もそれは健在ですが…。
そんな、彼を憧れるな…と思っていたのが、18歳の入社したての私でした。
それから、12年、あっという間です。
世の中を知らない私は、彼に対する憧れから卒業し、
しっかりと家庭を持ち、子どもにも恵まれ、
幸せな日々を送っていました。
kjは彼なりに、営業トップから課長に昇格し
プライベートは、家庭円満で?
子どもたちがしっかり成人し、
落ち着いた日々を送っていたのです。
あの夜がなければ…。
過去にちょっとした展開がある。
私が、まだ入社して1~2年くらいの頃、
kjから飲みに行こうと誘われた。
もちろん、2人っきりという訳でもなく、
会社のみんなを集めての飲み会だったのだけど…。
仕事でも、お局様にいびられ、年の近い女の同僚もいない。
仕事にも充実感を持てない。
プライベートでも好きな人とはうまくいかず、
縁談のお話をいただいて受けようか悩んでいた
そんな頃だった。
『一緒にホテル、いこうか?』
kjは、飲み会の席でこう言っては、
私を冗談で口説いていた。
それが逆に、元気付けてもらえていたような…
そんな錯覚をしていたのかもしれない。
そして、何度かの飲み会を経て、
『一緒にホテル、いこうか?』が現実になるのだけど…。