クリスマスでもないのに…。

『…ケーキいるか？』


彼の唐突な言葉だった…。

最初は、なに？どうしたの？という顔をしていたと思う。


『…？付き合いですか？』
『…いや、そうじゃないんだけど…。去年もこの時期にケーキやったと思うんだけど？』
『あぁ、なんかそんな気がします。』
『…去年は、言えなかったんだけど、実は娘の誕生日でさ…。一緒に買ってきてたんだ…。as、ケーキとか好きだから…。』
『そうなんですか？おめでとうございます。しっかり祝ってあげないと…ね。』
『ありがとう…。去年はワンホールをあげたけど、今年は何がいい？』
『なんでも受け付けますよ（笑）美味しそうなものを…。』

…彼がケーキ屋さんに行くことなんて仕事以外にありえないので、本当に驚きというより、家族のことは本当に大事に思ってるんだろうな…と。娘さんは成人していて、結婚も秒読みぐらいと聞いているぐらいのお歳。それでも、娘さんのお誕生日にはちゃんとケーキを買って帰る。良きパパぶり。
いつもの彼からは想像できない姿にちょっと、笑ったりして…。（笑）


今日、仕事が終わったら彼の選んだケーキがやってきます。
今年は、何を選んでくれるのかしら？